タグ別アーカイブ: 労働基準法

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側注の1番は、労働条件に関してということの話なんです。
さっき見てもらったように、雇入れは労働条件に含まなかったですね。そこで側注1番。

判例なんですが、読んでいきますね。

使用者は、労働者雇入れの自由を有するから、その者の思想、信条を理由として採用を拒否することも許される。

雇入れは労働条件という禁止事項に含まれていないんです。そこで、信条とかを理由に採用拒否したっていいんだ、ということです。

この法3条では禁止はされていないということなんですね。

あと、側注のPOINTという番号が打っていないところです。

有利に扱っても不利に扱っても差別になります。
不利に扱われたら当然差別を受けますね、それは差別ですよね。有利に扱ってことは、逆側の人に対して差別を与えているはずなんです。

そこに書いてあることを繰り返しますと、有利に扱っても不利に扱っても差別なんだぜ、と。両方均等に扱って初めて差別には当たらないんです。いいでしょうかね。

この有利不利は一般の社会通念(常識)によります。有利に扱っても差別だぜ、というのは知っておいて下さい。簡単に言ってしまうと、逆差別ということです。

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逆に言えば、限定列挙ということは、他のことについては差別を禁止していないんですね。

ここでは禁止していないんですが、他の条文で、禁止規定とかがあります。四角の2番というところですね。

性別による差別って前の条文で禁止していないですよね。
国籍・信条・社会的身分に限定して 差別禁止って書いてあるんだから、性別による差別は禁止していないわけです。

そこのところ文章を読んでいきます。

本条においては、性別による差別的取扱いは禁止していません。ただし、次の法4条では女性の賃金について差別的取扱いを禁止し、男女雇用機会均等法にも募集・採用等に関する男女差別禁止の規定があります。

他の法律でですね、4条もそうなんですが、女性に対して差別をしてはいけないという規定がいくつもあります。

繰り返しますが、本条では3つのこと(国籍・信条・社会的身分)に限定して差別を禁止しています。

くどいですが、でもこれ聞かれるんで、講義レジュメに載せた過去問等を見てもらっても分かるんですが、それをストレートに聞いてくるし、かつ繰り返し聞いてくるんですよ。なので、これは必ず意識をしておいてほしいな、というところです。

これから先も限定列挙のところは強く意識してほしいんです。そのいくつかのことについて限定してこうだ、という場所なので。他のことについては言っていないですからね。それがやっぱり聞かれますから。

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側注7を見てみてください。

信条とは、特定の宗教的又は政治的信念を言う。社会的身分とは、生来の身分を言う。

特定の宗教的政治的信念、例えばですね、今はもうあり得ない話なんですが、昔は共産主義の迫害ってあったのをご存知でしょうか。そういったことをしちゃいけないと言ってるんですよ。信条によって差別をしちゃいけませんよ、と言っているんです。

それから、社会的身分というのが条文にあって、生来の身分だ、というのが側注の7に書いてありますよね。

この生来の身分について、講義レジュメの2ページの3番(2)です。生来の身分について矢印が2つ書いてありますね。

生まれついての身分とまず書いてあります。それって士農工商とか人種だというんです。

ずっと昔の歴史を紐解けば、士農工商で差があった時代ってありましたよね。今じゃあり得ないんですが、昔はあったわけでありまして、禁止事項として内容が残っているわけですね。

労働基準法、昭和22年に作ったにはそれを考えるという頃だったんですね。今はこういった法律の規定がちゃんとあることからも、当然士農工商とかの差別も毛頭あるわけないんですが。

生まれついての身分というのはそういうことになります。

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この条文の中で分からないところとしてはですね、信条と社会的身分というものが出てきてますね。

側注の6を見てください。法律的な考え方をするところなんですね。

この規定は、国籍、信条、社会的身分に限定して差別的取扱いを禁止しています。こういった列挙の仕方を制限列挙(あるいは限定列挙)といいます。

法律用語でこういう言い方があるんだよ、というところなんですね、3つを限定して、それを理由に差別をしちゃいけない、って書いてありますよね。理由を限定しているのが分かりますよね。

こういう風に、限定して列挙するものを限定列挙、または、制限列挙と言います。

講義レジュメの1ページの2番の(1)というところに、制限列挙(限定列挙)と例示列挙を対比して書いておきました。

制限列挙の対極にあるのが例示列挙というものなんですね。

例えば~等という形で書かれるものが例示列挙というものですね。例を示して列挙した、というパターンですね。

限定して列挙しているのか、それとも例を示して列挙しているのか、という列挙の仕方なんですよ。

これは、法律用語として参考までに知っておいてください。

テストに出やすいのは限定列挙の方です。
明らかに○×が付けられますから。例示列挙の方は明らかに○×が付けられない時って結構あるんですね。なので、出るとしたら限定列挙の方が出やすいですね。

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さらにその上の行に、国籍・信条・社会的身分を理由に、と書いてあります。

結局、国籍・信条・社会的身分というものを理由にして、賃金等の労働条件について差別をしてはいけない、これが上の条文ですね。

いまのはわずか3行なんでまどろっこしいかもしれないんですが、これから、長い条文が出てきていっぺんに読み取れない、もしくはおぼろげながらも分からんと思った場合には今の方法を使ってみてください。

条文の真ん中全部を除いて頭とお尻。それから真ん中を順番に一つ一つ加えていきます。そうするとわかりますから。

では、この内容なんですが、結局差別をしたらあかん、具体的には、国籍・信条・社会的身分を理由に差別をしてはいけませんよ、と。

そうすると、すぐ皆さんお分かりいただけるのが、国籍ですよね。何人ということによって労働条件を差別してはいけない、と。

例えば日本人だから給料いくら、何人だから給料いくらというのは絶対いけないわけですよ。そんなこと今はありえないでしょうけどね。

この禁止規定もあるし、ありえないだろうけど、でも、こういう規定を置いておかなければやる人もいるかも知れないからね。

国籍とかを理由に差別をしてはいけませんよ、とまず書いてあるんですね。

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33ページの青丸三番、均等待遇というところに参ります。均等待遇と、差別をしてはいけませんよという趣旨のことが書いてあるんですが、まず条文を例によってご覧ください。

使用者は、労働者の国籍、信条又は社会的身分を理由として、賃金、労働時間その他の労働条件について、差別的取扱をしてはならない。

ここは、わずか3行の条文なんですね。で、一つ一つ読んでいけば決して難しくないかもしれないんだけれども、もし、これから先ですね、5行、6行ある条文とか、もっと長い条文もありますから、そういった条文が出てきて、パッと読んだときに、言っていることがおぼろげながらも分からんと、これ何をいっとるんやろかと思ったらですね、その場合には、条文の頭とお尻だけを見てみてください。

真ん中を除いてですね、頭とお尻だけを読むんです。主語と述語ということになるんですが、たとえば、この条文でそれをやってみると、

使用者は、差別的取扱をしてはならない。

結局、使用者は差別をしちゃいけない、と書いてある。これがまず骨組ですね、一番の骨組になりますね。真ん中がそれに対する肉付けなんですね。

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でね、なんで全部労働契約を無効にしないと思います?

これね、悪徳な会社なんですよ。わざと就業規則よりも悪い条件で、この男を使おうとか何とか思ってですね、悪い条件で結ばせようとした悪徳な会社なんです。

でもその会社との契約を全部最初からなかったことにして、とは言わないんです。その部分だけが無効になるんですね。なぜか。

これね、側注の5番を見てください。
もしも全部無効だとしたら、労働契約自体が無効となり、始めから契約そのものがないことになってしまいます。

せっかく働き口が見つかったんです。契約自体は有効にしておかないと、働くこと自体がなくなってしまうんです、それは逆に労働者に不利なんです。

そこで、労働契約自体は有効にするんです。ただ劣っている部分はその部分を無効にするんですね。
これが考え方、いいでしょうか。

以上、効力関係のところとそれに関係する部分無効についての話を申し上げました。

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あと四角の4番は、今のことが分かっているとかなりスムースに理解できます。部分無効自動引き上げとかいてありますね。

労働協約、就業規則に定められた基準に達しない労働契約はその部分が無効になります。

ではその下の囲みの中を見てくださいね。効力関係と部分無効自動引き上げと書いてあるところです。

例えば、契約時に1日8時間労働だと言われたが、就業規則に1日7時間労働と書いてあれば、7時間労働でよいことになります。

就業規則の方が強いですからね。わかりますよね、労働契約よりも就業規則の方が強いんで、会社全体のルールとして7時間労働と書いてあるなら、7時間労働でいいわけですよ。

まずそれが効力関係から言えます。

さらにその次に続けますと、この場合に労働契約自体が無効になるのではなく、労働時間を8時間と定めた部分のみが無効となります。

簡単にいうと、全部無効にはしないんです、部分無効となります。そこで部分無効という言い方をします。

さらにその次に続けていきますと、その無効となった部分は、就業規則の規定である7時間となります。

このように、労働契約等の基準に定められた基準に達しない部分が無効になり、自動的に引き上げられるので、部分無効自動引き上げといいます。

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次のページ四角の3番、これも分かっていると労働基準法の中がかなり理解できるんです。効力関係と書いてありますね、簡単に言うと力関係です。どっちが強いのという力関係なんですね。

労働協約等には、次のような効力(強弱)関係があります。で、その囲みの中を見てみてください。

法令、これは労働基準法とかですね、労働協約、就業規則、労働契約、の順に並ぶ。一番強いのが法令で、一番弱いのが労働契約となってますね。この力関係をぜひ押さえておいてほしいんですね。まずこれを知っておいてほしい。

で、なんでこの関係かというと、理由が分かるとすぐに頭に入ります。その下に文章が書いてあるんですけれど、側注の一番上の方の学習のアドバイスを見てください。

労働者を最も保護することができるのがこの並べ方です。

個別に結ぶ労働契約は、会社側の圧力によってえらく不利な条件で結ばされているかもしれません。

それよりも、会社全体のルールブックである就業規則の方がましかもしれません。

さらにそれよりも、組合が団体交渉等で勝ちえた組合協約のほうがよりよいかもしれません。

さらに、一番上に法令を置いておいてどれよりも強くしておきます。
そうすると、絶対に法令の基準は守らなければならなくなりますから、最低でもその基準は守らせることになりますよね。

これが力関係をこの順に並べた理由なんです。

結局ひとことで言うと、学習のアドバイスにあるように、労働者を最も保護するためにはこの並べ方なんですね。

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条文の2番のほうに行きます。
「労働者及び使用者は、労働協約、就業規則及び労働契約を遵守し、誠実に各々その義務を履行しなければならない。」

ここでのポイントは、3つの用語です。労働協約、就業規則、労働契約。

これから先非常によく出てくる3つなんです。ここで、早い段階で、労働協約、就業規則、労働契約というのはどういうものかというのをはっきり認識してほしいな、それが一番大事なところかな、と思います。

その下の解説文の四角の2番、労働協約等というふうに書いてあるところです。そこの(1)のところから行きますね。

労働協約とは、労働組合と使用者又はその団体との間の、労働条件その他に関する書面による協定のことをいう。
労働協約は、両当事者が署名または記名押印することによって効力を生じます。

その下にイメージ図も書いておいたんですが、なんせ労働組合と使用者側の間のとりきめ、ということになりますね。
これが(1)労働協約です。

(2)のほうに行きます。
就業規則とは、労働者を使用する使用者が、労働者の労働条件等を定めた社内規則のことを言います。
これは社内のルールブックなんです、これは会社側が決めるルールブックになりますね。

それから(3)労働契約というのがその下にありますね。これは一番最初の回、ガイダンスのところで見ていただいた言葉ですね。労働契約、まあ労働に関する契約のことなんですね。

使用者と労働者の間で結ばれた、と書いていますが、
使用者と個別に労働者の間で契約を結ぶことになりますね。

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