みなさん、こんにちわ。 4dan4 中小企業診断士受験対策 担当講師の金高です。 今日のワンポイントアドバイスは、企業経営理論で学習する「イノベーター理論とキャズムの克服」です。
M.ロジャース教授(スタンフォード大学)は、イノベーションの普及に関する理論で、新製品がどのように消費者に購買され、市場全体に普及していくかについて整理し、初期採用者(オピニオンリーダー)への普及が市場への広がりのポイントであることを提唱しました。
この理論に一石を投じたのが、ジェフリー・ムーアというマーケティングコンサルタントです。ムーアは、IT業界やハイテク産業などの製品において、イノベーターと初期採用者(オピニオンリーダー)で構成される市場と、前期大衆者や後期大衆者で構成されるメイン市場との間に、簡単には超えられない溝(キャズム)があると提唱しました。
ムーアが言いたかったことは、IT業界などの製品では単に初期採用者(オピニオンリーダー)へのアプローチだけでは市場で優位に立つことは難しく、前期大衆者への適切なアプローチが必要であるということです。
映像で簡単に説明しています。ご確認ください。
実際の事例では、iPhoneが理解しやすい題材だと思います。
iPhoneもかなり普及しましたが、この頃のテレビコマーシャルが以前と変わっていることに気付かれていませんか?
今から2年ほど前のコマーシャルは、「傾斜が測れる」「本が読める」「インターネットができる」「ゲームができる」等、こんなことができる、あんなことができる、という「できること」つまり機能をPRするコマーシャルでした。
これは、スマートフォンが斬新だった発売初期においては、物珍しさでイノベーターや初期採用者(オピニオンリーダー)は購入しましたが、それだけでは前期大衆者や後期大衆者らのメイン市場に普及しない可能性があり、一般の大衆に買ってもらうため、それまでの携帯電話では「できないこと」に的を絞ったコマーシャルを展開していたのです。
まさしく、ソフトバンクはキャズムの克服を実現することを意識した戦略を展開したわけですね。
最近は、家族の動画を撮るなど他の携帯電話となんら変わらない一般的なコマーシャルの内容になってきています。
これは、市場のリーダーになったことで先発企業の余裕というか、イメージ作戦に転換したと言えるのではないでしょうか。
このように、経営戦略論は身近な所にたくさんネタが転がっています。皆さんも考えてみてください。必ず試験対策に役立ちますよ。
iPhone公式ホームページ:http://www.apple.com/jp/iphone/
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記事の投稿者
a.takeuchi a