てんコロ。気象予報士講座
本日は、「48回気象予報士試験学科一般分野問5」にも出題されていました「冷たい雨」です。
てんコロ。気象予報士講座で、もう一度確認してみましょう。
「冷たい雨」
日本が位置する中緯度地域で降る雨は、「冷たい雨」です。暖かい雨とは、成長の過程が全く異なります。
冷たい雨は、氷晶が大きく成長して、落下する時に溶けて降ってきた雨です。冷たい雨を降らせる雲は、
雲の中の温度が氷点下で氷晶核の作用による氷晶の存在、そして氷点下でも凍らない過冷却水滴が共存する「混合雲」です。
冷たい雨の雨粒成長過程で、重要になるのが、「昇華による氷晶の生成」において、氷と水の飽和水蒸気圧の差です。
*氷と水の飽和水蒸気圧の差
実は氷点下においては氷面に対する飽和水蒸気圧と水面に対する飽和水蒸気圧があります。その値は、水面よりも氷に対する値の方が小さいことが重要です。
同じ温度であれば、過冷却水滴に対して飽和している時、氷に対してはすでに過飽和の状態であるということです。
氷面に対する飽和水蒸気圧と水面に対する飽和水蒸気圧の差があることにより、例えば-20℃の雲の中で過冷却水滴と氷が存在する時、水滴に対してはちょうど飽和状態でも、氷に対しては既に過飽和状態なので、周りの水蒸気はどんどん氷の方に昇華していきます。
そのため、過冷却水滴に対してはどんどん未飽和となり、蒸発が止まらず、過冷却水滴はなかなか成長できません。
結果、このような混合雲の中では氷晶が優先的に大きくなっていく仕組みがあるのです。
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CATEGORIES eラーニング, 資格by.a.takeuchi2017.12.08
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