携帯電話のSIMロックは解除になりそうだ。日本の携帯電話は、キャリアと端末が強く結びついていたため、海外のマーケットから孤立する状態がつづいていた。海外発の携帯電話としては、iPhoneが比較的普及しているが、それもソフトバンクとの契約が必要だった。今後、SIMロックが解除されることで、海外の携帯電話が日本のマーケットに浸透したり、国内の携帯電話が海外に進出するようになっていくだろう。
総務省は2010年4月2日、携帯電話事業者や消費者団体などを招き、携帯電話端末のSIMロックの在り方に関する公開ヒアリングを開催した(関連記事)。参加団体は、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクモバイル、イー・モバイル、日本通信、通信機器メーカーなどで構成する情報通信ネットワーク産業協会(CIAJ)、東京都地域婦人団体連盟の7団体。
ヒアリングでは、各団体がユーザーのニーズが多様化してスマートフォンなどのオープン系端末が広がっている状況などを説明。SIMロック解除のデメリットはあるものの、「ユーザーがSIMロック解除を希望するのであれば、それに応じるのが適切」(NTTドコモ)、「利用者に対して選択肢を提供できるSIMロック・フリーは賛成」(イー・モバイル)という声が相次いだ。
総務省の内藤正光副大臣(写真)は、このような事業者の発言を受けて、「2007年のモバイルビジネス研究会の最終報告書で、SIMロック解除を法制的に担保することについて2010年に結論を得ることになっている。原則として法制化ではなく、事業者の話し合いでSIMロック解除に応じる取り組みを行っていただきたい」と要請。各事業者から「総務省がガイドラインを整備してほしい」(NTTドコモやKDDI、イー・モバイル)という声が上がったことから、総務省がSIMロック解除に向けたガイドラインを作成する方向で話がまとまった。