みなさん、こんにちわ。 4dan4 中小企業診断士受験対策 担当の金高です。 今日のワンポイントアドバイスは、「多角化戦略とPPMの関係」です。
今ここに2つの会社があります。A社は創業して数年のベンチャー企業です。B社は創業50年の上場企業です。A社の前年の売上高は10億円です。B社の前年の売上高は1,000億円です。今年度、A社もB社も売上高が1億円増加しました。
A社の売上高成長率は10%です。B社の売上高成長率は0.1%です。
一般的に、社歴の長い企業は売上高が安定しているので、成長率は低くなる傾向があります。それは、毎年積み上げることができる売上高は、既存の売上高規模に比例せずほぼ一定になるからです(あらゆる業種の長期データから検証されています)。つまり、企業は定率成長ではなく定額成長になる傾向が強いということです。しかし、それでは成長率は下がってきますし、安定的な収益を維持することが難しくなります。そのため、多くの企業は複数事業(多角化戦略)を展開しようと考えます。
上の図を見てください。複数の事業を、時間をずらせて立ち上げることで長期にわたって経営を維持できます。しかし、立ち上がる事業規模はほぼ一定になります。わが国の大手上場企業では、平均すると4~5年で100億円単位の事業を積み上げているのです。安定収益を維持するためには、4~5年で新たな事業を作り出さなければなりません。そのためには、既存事業から新規事業への資金配分が重要であり、どのように意思決定するかが安定収益維持のポイントなのです。また、今の時代は自社内だけの経営資源や資金配分だけでは、100億円規模の成長は難しいため、M&Aを採用することもポイントと言えるでしょう。
「金のなる木から花形製品や新規開発にキャッシュを投下する」まさしく企業経営理論で学習するPPM(Product Portfolio Management)ですね。
試験対策でPPMを丸暗記している方が多いと思います。しかし、PPMの図を暗記するだけでは実際のビジネスや経営には活かせないのです。4dan4は、試験対策をお手伝いしますが、単に試験対策だけではなく実際のビジネスシーンで活用できる内容を提供し続けます。