本日は、前回に引き続き気象予報士講座第15章ガイダンス・天気予報より、ピックアップしています。
「カルマンフィルター(KLM)」
カルマンフィルタ-はMOS方式同様、数値予報の結果と実況値との間に統計的関係式を作成し、それに数値予報結果を入力してガイダンスを得る方法です。従来のMOS方式と異なるのは、式に用いる系数を直近の観測値で逐次更新するという、学習能力が付いたことです。こうすることで、誤差を少なくすることができますし、なおかつ従来のMOSの欠点であったモデル変更時の対応も、時間をかけずに対応していくことが可能です。
「カルマンフィルターの特徴」
①地形の影響など数値モデルの系統的誤差を修正することはできます。しかし、原因と結果の関係が常に変動するような誤差、例えば低気圧や高気圧の進路や速度などは、修正することはできません。
②梅雨明けなど場が大きく転換する時期は即時に追従できず、一時的に精度が悪くなることがあります。季節の変わり目は、例えば日々の気温の変動も大きく、最適な系数をチューニングするのに苦労するということです。しかし通常は、2週間もすれば精度はよくなってきます。
③統計を利用しているため、滅多に起こらないような大雪、大雨、強風などは十分に予想できません。
④数値予報が予想していない新たな現象の予想はできません。あくまでも、数値予報の出した計算をもとにしています。
「カルマンフィルターの手法で作成されるガイダンス」
3時間降水量、6時間降水確率、最高気温、最低気温、3時間気温、3時間風
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