月別アーカイブ: 2009年 9月

はじめての皆さんこんばんは。そうでない方もこんばんは。
北は北千住から南は南千住まで、日本全国津々浦々、キバンインターナショナルの中村おりおがお送りいたします。

今日も、前回に引き続き教材作成の注意事項です。
SCORMというeラーニングの規格があるのはご存知かと思います。今回は、それに関連して、
eラーニングのコースの作り方についてです。

SCORMに準拠したeラーニング用の教材は、SCO と アセット で構成されます。
SCO とは 学習の管理を行う最低単位 で、アセット とは そのSCOを構成する各要素(画像やテキスト、動画)を表します。一般的には、複数のSCOがひとまとまりとなって、ひとつのコースを構成しています

コースとSCO

図で表すとこんな感じです。
このとき、SCORM規格では、成績をとるできる(学習を管理できる)最低単位が、1SCO単位になります。
つまり、ある単元を学習者が学習した、しない、どれくらいの時間学習した、とかそういった情報は、SCOのレベルで取得します。

なので、例えば90分の講義をまるまる1SCOとして登録してしまうと、そのレベルでしか管理できません。
(90分の講義のうち、最初の10分だけ見ている、半分までみた、とかそういう管理ができません)

そういうわけで、コースを作成する場合は、どこまで1SCOに盛り込むか、というのは重要なポイントになります。

PPT2Mobile新バージョン(Ver.5 日本語版)を公開

株式会社キバンインターナショナル(東京都千代田区 代表取締役社長 西村正宏)は、パワーポイントファイルを簡単に動画に変換するツールPPT2Mobile(http://ppt2mobile.jp/ 16,800円)のアップデートプログラム (PPT2Mobile 5.0.0.111)を公開しましたので、お知らせ致します。

今回のバージョンアップに伴い、ソフトウェアが英語版から日本語版へも変更されています。PPT2Mobileは、企業や大学でもっともよく利用されるツールの1つ、パワーポイントファイルを簡単に、AVI、MPEG2、MPEG4、3GP、H.264等のファイルに変換することができます。

今回新規に、Flashビデオファイル(FlashVideo FLVファイル)への変換に対応し、インターフェースも日本語になり、使いやすくなりました。

PPT2Mobile を利用すれば、パワーポイントのファイルを、携帯電話、iPhone、Black Berry、WindowsMobileなどのモバイルフォン用に変換したり、デジタルサイネージ用コ ンテンツ作成ツール、PC動画編集用にAVIファイルに書き出したりすることができ、eラーニングの様々な場面で活用することができますのでこの機会に、 是非、ご利用をご検討下さい。

●PPT2Mobile 5.0.0.111のアップデート内容

・日本語版の提供を開始しました。
・新たにFLV出力フォーマットで出力できるようになりました。
・MPEG2フォーマットに変換する場合のちらつきを改善致しました。
・サウンドの出力を改善致しました。
・ユーザーインターフェイスを改良し、使い勝手を改善致しました。

変更箇所の詳しい情報は、以下のURLをご参照下さい。

URL:
http://sup.elearningmanager.jp/eLM/ppt2mobile_manual/index.cfm?manual_id=10&article_id=17

PPT2Mobile を購入済(無料体験中)の皆様には、最新版へのアップデートをお願い致します。
また、PPT2Mobileでは、30日間のお試し期間をもうけております。
お試し期間中も、すべての機能をお試し利用することができますので、 この機会にダウンロードしてご利用くださいますようお願い致します。

●対象
PPT2Mobileを購入済(無料体験中)のすべてのお客様。

●料金
購入済みのお客様。アップグレート料金は、無料です。
PPT2Mobile英語版から日本語版へのアップグレードも無料です。

●アップグレード方法
最新バージョンをインストールするには、下記のURLからダウンロードしてください。

1. 下記のURLにアクセスしてください。
URL:
http://ppt2mobile.jp/ppt2mobile_download/index.php

2. URLが表示されますので、ダウンロードを行ってください。
3. すでに旧バージョンをインストールの方は、現在使用しているバージョンをアンインストールし、最新バージョンをインストールしてください。
アンインストールの方法は、下記のURLを参考にしてください。

▼PPT2Mobileアンインストール方法
http://sup.elearningmanager.jp/eLM/ppt2mobile_manual/index.cfm?manual_id=10&article_id=6

●旧バージョンをご利用中の方への注意点
※ライセンスをすでに購入の方も、同様にアンインストール後、再度インストールを行なってください。
レジストレーションコードは、購入時のものを入力することで製品版として使用することができます。
レジストレーションコードの登録でエラー等がありましたら、下記お問い合わせよりお問い合わせ下さい。

▼PPT2Mobile お問い合わせ
https://www.kiban.co.jp/contact/product_tool/ppt2mobile/index.php

尚、レジストレーションコード関連のお問い合わせは、お手元のレジストレーションコードを
必ず明記頂きますよう、お願い致します。
●旧バージョンのサポートについて
PPT2Mobile 5.0.0.11 へのアップグレードをお願い致します。サポート対象は、原則 PPT2Mobile 5.0.0.111 のみになります。

PPT2Mobile日本語版を発売

CATEGORIES eラーニング, SCORMby.m.nishimura0 Comments2009.09.16

09/16(水)PPT2Mobile 日本語バージョン、新バージョンの発売

これまで、英語版のみを販売してまいりましたが、この度、日本語版の開発を行い販売を 開始いたします。これまで英語版のPPT2Mobileを利用されていたお客様は、無料で日本語版に移行できます。また、バージョンアップにより、 PowerPointのファイルをFlashVideo(FLVファイル)に書き出しができるようになりました。

▲PPT2Mobile ver.5スタート画面

▲PPT2Mobile ver.5スタート画面

▲PPT2Mobile ver.5 設定画面

▲PPT2Mobile ver.5 設定画面

eラーニング初心者向けに、eラーニングの特徴を書いてみます。

私たち、キバンインターナショナルは、eラーニングの教材作成ツール、学習管理システムのサポートを行っています。

そもそも、eラーニングってなんでしょう。
シンプルにいえば、「インターネットやLANなどを使って、特定の時間や特定の場所にいくことなく学習することや、その仕組み」です。

基本的には、これまで集合研修で行ってきたことを、eラーニングにすることで、特定の時間や場所に縛られることなく学習が可能になります。

集合研修というのは、小学校、中学校、高校などでの授業などです。社会人の集合研修やセミナーもこうした、「特定の場所」「特定の時間」が必要です。
また、このスタイルでは、基本的には学習は「一度きり」というのも特徴です。

集合研修

集合研修

eラーニングにすると、全員が同じ時間、同じ場所にいる必要がなくなります。その結果、研修施設へ移動したり、宿泊するコストを削減できます。また、同じ内容をもう一度見直すこともできるので、自分の理解のペースにあわせて学習ができるようになります。管理者側は、どの程度理解したか、どの程度資料を読み進めたのかをチェックできるようになります。

その結果、一度に多くの方に受講してもらうことが可能になります。同じ時期に同じ教材を使って、それぞれに学習を進めてもらえばいいのです。

eラーニングのこうした利点が最も活用されているのは、個人情報の取り扱いや法令順守など、全社一斉教育が必要な分野と、TOEIC/TOEFLなどの語学や、ITスキル資格などの自己啓発系の分野です。また、自分の会社独自の業務知識などをいっせいに伝えたいといったものにも使われています。

こういった場合だと、学習内容はネットを通じて配信されますから、これまでのように資料を郵送したりする手間や材料費はかからないことになります。
(もっとも、初期に導入費用がかかりますが、資料を配送する手間は減ります)

広く、汎用的な知識を伝えたい、そして、資料をDVDや紙で送ったりするコストや手間をなくしたいといった時に、eラーニングは最も威力を発揮するのです。 (続く)

eラーニング

eラーニング

読み取り専用ファイルをFlashに変換したい場合

CATEGORIES 未分類by.m.nishimura0 Comments2009.09.14

キバンインターナショナルでは、eラーニング教材作成ツールとして、5種類のツールを発売しています。

パワーポイントファイルから変換して教材作成するツールとして2種類のツールを発売しています。PPT2Flash Professional(パワーポイントのプラグインとして動作して、簡単一括変換で、SCORM教材を作成可能 http://ppt2flash.jp 29,400円)と、PPT2Mobilehttp://ppt2mobile.jp)です。毎日様々なお問い合わせをいただきますが、読み取り専用のパワーポイントを変換して再利用したいというお問い合わせをいただきます。オンラインのFAQより、紹介します。

Q: PowerPointファイルをインポートする際に、 「読み込み専用になっています、書き込みができるようにしてください」と表示されます。

A.この現象は、他人から受け取ったPowerPointファイルで発生します。 PPT2Mobile(PPT2Flash Professional)では読み込み専用に指定されたPowerPointファイルを変換することができません。 この問題を解決するための唯一の方法は、PowerPointファイルの作成者に、読み込み専用の制限を解除してもらうことです。お手数ですが、読み取り専用ではないファイルをご用意いただきますよう、お願いします。

—-

読み取り専用ファイルしかないというのは、第3者が作成したものや、再利用をされたくなくて、読み取り専用ファイルになっていることがあります。著作権、制作者の配布意図も十分確認のうえ、変換してご利用ください。

PPT2Mobileで、変換後、品質を向上する方法 を紹介します。( PPT2Mobile FAQ から)

▲PPT2Mobile ver.5スタート画面

▲9月16日リリース予定のPPT2Mobile ver.5スタート画面

Q: スライド上の文字がぼやけてしまいます。どうすればこの現象を改善できますか?

A. 変換品質を向上するためには、以下のことをお試しください。
1. スライドのページサイズを大きくして下さい。
2. テキストに影がついている場合は、影を取り除いてください。
3. 背景色に似た文字色を使わないでください。
4. テキストに画像などを重ねないでください。

eラーニングにiPod nanoをどう活用するか?

CATEGORIES eラーニングby.m.nishimura0 Comments2009.09.14

iPod nanoでもeラーニングできるんじゃないの、、、。そんなキバンインターナショナル社内の声を受けて、1台だけ、発売日に注文してみました。注文したお昼すぎには、発送しましたとメールが届きました。裏面に無料の刻印サービスをお願いしても、当日に出荷されるようです。9日工場出荷で、14日到着となっているので、あれあれ、どうなっているのとおもって、クロネコヤマトのWebで荷物の場所を調べてみたら、刻印サービスをしたiPod nanoは、中国の深センから出荷されているようです。eラーニングの教材作成ツールの開発元のWondershare社の近くから出荷されているのに、思わず、ほほえんでしまいました。PPT2Flash ProfessionalQuizCreatorPPT2Mobileと、出身地が同じです。

ipod004

▲第一印象は、小さくて、本当に軽い、、、。

ipod002

▲裏面にはしっかり、きれいに刻印がされていました。

色は、アップルストア限定のレッドでした。16GBのメモリーで、17,800円。ICレコーダー的な使い方や、ビデオカメラ的な使い方もできるようですが、どのような使い方がeラーニングに向いているのか不明です。ネットワークにつながらず、どんなデータもPC経由でシンクロしなければ、iPod nanoにデータが渡せないのがもっとも大きな弱点でしょう。iPhone、iPod touchになれてしまうと、無線接続や3Gで、いつでも接続できる便利さ、どこにいてもインターネットに接続できる便利さは、味わってしまうと、無しでは過ごせません。是非、nanoの次期バージョンには、無線のモジュールを組み込んでほしいと思います。

久しぶりに、ベリタス・アカデミーの動画を、nanoに入れて、どの程度便利に使えるか、試してみたいと思います。(ビデオを見たときのバッテリーの持ち具合も実験してみたいと思います。)

http://store.apple.com/jp/engrave/MC074J/A?mco=MTAwMTI3OTY

研修による休業のお知らせ(9月16日)

CATEGORIES eラーニングby.m.nishimura0 Comments2009.09.14

キバンインターナショナルのWebサイトでは、告知済みですが、念のため、blogでも。eラーニングの新製品、新サービス、既存サービスの見直し、改良のため、キバンインターナショナルでは、不定期ですが、社員全員参加で、合宿研修を行い、集中して意思決定、作業などを行っています。今回は、創業第2回目の合宿研修となっており、全員ノートPC、eモバイルを持ち、eメール、Webサイトの閲覧をすることはできるのですが、会社宛の電話にでることができません。サポート業務などは、すべて通常通りメールで行っておりますので、通常通りの方法でお問い合わせいただければと思います。

研修による休業のお知らせ

2009年9月4日

株式会社キバンインターナショナル(東 京都千代田区 代表取締役社長 西村正宏)は、9月16日(水)に、全社研修のため、9時~17時の間、電話対応をおこなうことができません。eラーニン グのオーサリングツールにつきましては、eメールによるサポートは通常通りですが、電話対応ができないたため、お急ぎの件は、お問い合わせフォームより、 お問い合わせいただくことが、もっとも早く対応可能かとおもいます。ご不便をかけますが、何とぞ、よろしくお願いします。

はじめての皆さんこんばんは。そうでない方もこんばんは。
北は北千住から南は南千住まで、日本全国津々浦々、キバンインターナショナルの中村おりおがお送りいたします。

さて、前回は、PPT2FlashQuizCreatorPPT2Mobileなどの製品を使って技能伝承コンテンツを作ってみよう、というか、作ってみたらどうなるだろう? ってところで終わりました。

そうすると、今回は、実際に作ってみよう!でしょうか。
いいえ、違います。

実は、eラーニングのコンテンツを作る場合、いくつかのポイントがありますので、まずはそれを皆さんに紹介しておこうと思います。
ポイント
・伝えたいことを決める(目標を明確にする)
・1回の学習時間5~7分
・一枚のスライドの内容を絞る
・ナレーション音声を入れるときは、はっきりテンポ良く
・簡単なまとめとテストが有効

上の図に上げた 5つのポイント が eラーニング教材を作成する為のポイントとなります。これらのポイントについて、これから見ていきます。

伝えたいことを決める(目標を明確にする)

当たり前かもしれませんが、教材を作成するときは、 誰に、何を 伝えたいのか、学習目標をはっきりと定める必要があります。
特にeラーニングの場合は、受講者は独学形式で学習していく事が多いため、教授内容や教授の道筋がブレると、学習者の混乱を招いてしまいます。
また、後述するその他のポイント(例えば、学習時間の制約)をクリアしていく為にも、最初にしっかりと伝えたい内容を設定することが大事です。

1回の学習時間5~7分

企業内でeラーニングを実施する場合、 一般に、「就業時間内にeラーニングでの学習を行うのが効果的」といわれています。
しかしながら、学習環境としては、自分の席で行うことが多く、 「学習に専念できる環境」でない事がほとんどです。
このあたりは、会議室や専用の施設で実施される集合研修と大きく異なる点です。Eラーニングの場合、学習に専念できる場所ではありませんので、どうしえも、電話やちょっとした会話などによって学習が途切れてしまうことが多く、いきおい、業務中の細切れの空き時間を利用する、という学習形態になってしまいます。
その為、eラーニングの教材は、学習単位を短くし、5分~7分程度で 一区切り付くような教材が推奨されます。

一枚のスライドの内容を絞る

詰め込みすぎると分かりにくい

詰め込みすぎると分かりにくい


1枚のスライドに、あまり多くの情報を詰め込んでしまっても、いっぺんには理解できませんし、どの部分が重要なのか、といった点もわかりにくくなってします。また、多くの情報を盛り込むため、必然的に教材の動きが乏しくなってしまい、退屈な教材になりやすい、という難点があります。
極端ですが、スライド内の内容を多くしたものと、少なくしたもの2つを以下に掲載します。 1枚の文字数が多いものは、教材の内容が分かりにくくなってしまったのがお分かり頂けるかと思います。

ナレーション音声を入れるときは、はっきりテンポ良く

ヘッドセット

ヘッドセット

パワーポイントの機能とPPt2flashを組み合わせると、ナレーション付きの教材を作成することが可能です。
ナレーションの吹き込み(録音)を行う場合、はっきりテンポ良くナレーションを行うことが効果的です。
また、左のようなヘッドセットを利用すると、ノートPC本体などに内蔵されているマイクを使用するよりも、格段に綺麗に録音が可能です。

簡単なまとめテストが有効

学習した内容を確認するには、簡単なテストを行うのが効果的です。
学習者が、自分自身の理解度を判断するのにも役立ちますし、このようなテストで反復することによって、記憶の定着もいっそう確実になります。

だいたいこんな感じでしょうか。
特に学習時間の制約などは、eラーニングに独特のものなので、集合研修や教室での学習教材を作りなれている、コンテンツ作成に熟練された方でも、思わぬ落とし穴となる事があるようですので、参考になれば幸いです。

はじめての皆さんこんばんは。そうでない方もこんばんは。
北は北会津から南は南会津まで、世界をまたにかけるキバンインターナショナルの中村おりおです。

前回の話
前回はだいたい、以下のような内容でお話いたしました。

・iPod nano で eラーニング
・携帯端末や動画で熟練技術者の技術を継承
・熟練技術者の技術継承における課題

熟練技術者の技術継承における課題とはなんぞや? といったあたりで、前回は終了致しました。
このあたりに関しまして、日本教育工学会研究報告集に面白い事例(※)がありましたので、これを
紹介しつつ考えてみたいともいます。

(参考画像) 会津塗り 漆器

(参考画像) 会津塗り 漆器

この報告では、日本の伝統工芸のひとつである、漆器・会津塗を例に取り上げ、その伝承支援方法を
考察して、そこから、暗黙知形式知として抽出する普遍的な方法を取り上げています。

暗黙知とか形式知というのは、ナレッジマネジメントの理論の中でよく取り上げられる用語です。
このナレッジマネジメントの基礎理論としては、SECIモデルなんかが有名なのですが、興味のある方は、リンク先を熟読頂くとして、とりあえず間違いを恐れず大雑把にいうと、暗黙知というのは、個々人の体験や常識など個人に属する知識です。
これだと他の人と共有させにくいので、マニュアル化したり、図表・数式などによってわかりやすく変換して(形式知にして)、みんなで共有しようね、と。共有するとその形式知が個々の暗黙知をさらにレベルアップさせ・・・みたいな感じです。
ともかく、暗黙的なものをマニュアル化するとか皆が分かるような形にして、どんどん共有しようぜ、とまぁそんなイメージです。

さて、話を会津塗りに戻します。
今回の題材は、伝統工芸の職人芸ですから、個人のノウハウや経験、つまり暗黙知によるところが多く、
マニュアル化などの形式知とは、相容れないのではないかと想像できます。
しかし、この報告書では、いくつかのキーポイントを活用し、暗黙知の形式知化の方法として抽出しています。

ポイント

・レセプターが形成されるように活用する
・作業を行うための理由に技術習得のポイントがある
・特定分野における「常識」といわれるものを形式化する

●レセプター

また新たな用語を出してすいません。
人間が新たな情報に触れそれを理解しようとする際、その情報は既に知っている何かと結び付くことによって初めて知識となる事ができる、この既に知っている何か、をレセプターと呼んでいます。

例えば、あるゲームの遊び方を覚えたいとき、マニュアルだけ読んでもどのように遊ぶのか実感がつかめず、いまひとつ良く分かりませんが、いっかい通して遊んでみると、大まかな流れが把握できているのでマニュアルの内容が理解しやすい、この時、一回通して遊んで流れがわかっている状態が、レセプターがある状態になります。
つまり、ある事柄を伝承させたいと思ったら、その情報を知識化させる為のレセプターが必要だよね、ということです。

●作業を行うための理由に技術習得のポイントがある

さて、では何がレセプター足りえるのでしょうか。報告では、会津塗りの各工程とその工程が必要な理由を明らかにすることがポイントとされています。

工程と理由とは、例えば

漆を熟成させる(粒子が均一で滑らかな漆にするため)
調合の割合を変える(気温・温度・用途による)
溶剤の量を控える(粘度が高いと跡が残りにくい)

※(括弧内が理由)

というものです。
ある工程で作業をする場合、その作業の手順の説明だけでは応用が利きません
特に今回の例のような伝統工芸の場合、大まかな流れはあるものの、厳密な手順があるわけではなく、作業時の状況(気温・湿度・材料の状態)などに合わせて、職人が長年の経験から培われた工夫によって作業を行います。
それらは、個別に見ると突発的な例外とその対処の例にしか見えず、形式化しにくいように思われます。
(この時はこう、こうなったらこう、という手順だけでは、手順が山盛りになってしまう)

このような例の場合、ある作業の手順とその理由を記載しておくことで、作業者は、その作業が必要な理由を前もって知る事ができ、何か例外が発生しても作業者が自身で工夫を凝して問題を回避する素地を作る事ができます。また、このような知識は、その作業の本質を理解する大きな手がかりになります。

●特定分野における「常識」といわれるものを形式化する

各工程の作業とその理由のほかに、形式化しておく事が効果的なものに、「常識」があります。

特定分野(ここでは会津塗り)の常識として位置づけられる知識は、改めて言葉として語られないなど、暗黙知として存在しています。(上記の工程のその理由も、職人にとっての常識といえるかもしれません)

このような知識は、わざわざ語られないため、教材化(形式知化する)際に抜け落ちてしまう危険性があります。
逆にあまり盛り込んでも、教材そのものが冗長になってしまう危険性もあります。
その為、教材作成者の技量やセンスに依存するところも大きいのですが、このような知識もカバーしておかないと
思わぬ落とし穴となりかねません。

落とし穴
この部分は、インストラクショナルデザインの理論や、それを応用した教材作成マニュアルによって、
具体的には、教材の対象者の設定や、教材のレビューの手順が、参考になるかと思いますが、それらは、別の話
としてどこかで取り上げます。

●まとめと次回

今回取り上げた報告では、会津塗りという伝統技能の継承という、暗黙的な知識ばかりのようなものであっても、
よくよく取材をすれば、暗黙知のなかでも形式知に変換できる部分が多いという事が、浮き彫りにされています。
技能の伝承というのは中々に難しい課題ですので、日々頭を悩ませている担当者の方も多いと思われますのが、
その方の参考に、少しでも役立てればと思います。
弊社で取り扱っているeラーニングのシステムや、PPT2FlashQuizCreatorPPT2Mobileなどの製品も、このよな技能伝承に役立つ製品ですので、次回は、これらの製品を具体的な使って紹介をしてみたいと思います。

※ 参考文献
菅谷克行・上野恵美子(2009)
熟練技術と専門知識の伝承支援に向けて
日本教育工学会研究報告集 JSET09-1

※本稿は、参考文献を元にした筆者なりの解釈なので、誤解・偏見・ミスリードを含むかもしれません。
内容に興味をもたれた方は、可能であれば原典をあたったり、周辺知識の文献にも触れる事をオススメします。

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